ジョジョの画風変節

AIの機械学習によるイラスト生成の話題で最近賑わっており、敬愛する荒木飛呂彦先生の「絵柄」とはなんだろうなとフト思った。

ネットでも広くネタにされており、パロディとして絵を真似る人も多い。荒木先生自身、「10メートル先からページの端がチラッと見えるだけでも作者がわかる絵を描くのが大事」という風な事も言っていた。

だが、当然のように荒木先生だって数十年も漫画を描き続ければずっと作風だって変化する。人間讃歌のテーマは変わっていないしセンスもずっと通底するものがあるけど、やはり第一部と第八部を見比べるとまるで違う。

ざっくりとだが、ジョジョの「絵柄」の変節について軽くではあるが大きく4つに分けてみた。

 

① 波紋編

劇画調で、北斗の拳原哲夫を意識している所がある。
時代が時代なのでゴツゴツとしたマッチョな肉体美が強調されていた。

 

② 3部

いわゆるジョジョの画風と呼ばれるものが出てきた萌芽。登場人物のゴツさは多少なりを潜めた。顔の作りもスマートになって「らしく」なっている。
スタンドはスタープラチナのようなギリシャ彫刻的な造形と民族仮面のような呪術的な要素を持つ造形で大別できる。

 

③ 4~6部

おそらくネットでパブリックなジョジョのイメージとして多く共有されている絵柄。
3部までと比べると丸みのある絵柄になり、波紋編の絵柄はすっかり鳴りを潜めている。スタンドも生物的と機械的な趣きが混ざり合っていたりと多彩。


正確には各部でも絵柄にはきっちりと変節はあるが、週刊誌連載の円熟期としてひとまとめにしてもいいと感じた。
4部はコミカルでデフォルメが効いておりとっつきやすい。
5部は全体的なトーンが暗めで、逆に6部は明るめの印象。

 

SBR以降

写実的な絵柄になり、より微細な表情を表現できるようになっている。顔のアップが多い気がする。
特に変化の兆候が目に見えてわかりやすく、リンゴォ・ロードアゲイン戦前後あたりではっきりと6部の絵柄から変化しているのが感じ取れる。